耐震のお話し ④ ー耐力壁ー
木造住宅の構造で、一番の基本となるのが「耐力壁」です。
耐力壁とは、地震や風など、横方向からの力に抵抗する力をもった壁のことです。
建物の間取りや形状から必要な耐力壁の量(必要壁量)を算出し、
設計者はそれ以上の耐力壁をバランスよく配置する事を考えます。
建築基準法で求めている耐震性能=必要壁量なので、
必要壁量以上の壁量があるお家は耐震等級1、
必要壁量の1.25倍の壁量があるお家は耐震等級2、
必要壁量の1.5倍の壁量があるお家は耐震等級3と言えます。
また、耐力壁にも色んな種類があって、その強度によって「壁倍率」というものが決められています。
「壁量=壁の長さ×壁倍率」で求められるので、同じ長さの壁でも仕様によって壁量は異なります。
例えば、厚さ45㎜以上幅90㎜以上の木材の筋交いを入れた壁は倍率2.0、
決められた仕様通りに構造用合板を釘で打ち付けた壁は倍率2.5、という具合です。
ここで「決められた仕様通り」と書きましたが、実はこれがとても重要です。
使用している釘の種類、ピッチ、端空き寸法、めり込み具合、
全てを決められた仕様通りに施工して、初めて求められる強さを持った耐力壁として働くのです。
法律や構造について、その全て理解するのはなかなか難しいもの。
でも、工事途中の現場を見て、釘が目安線通りの間隔で打ち付けられているか、
端っこに寄りすぎて合板が割れていないか、めり込みすぎていないかは誰でもチェックできると思います。
工務店やハウスメーカーの中には、構造見学会を開催されているところも多くあります。
是非ご自身の目で、お家を支える大切な耐力壁を確認して下さい。
<次回につづく>