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設計士、自邸をつくる。③-2階建てか、3階建てか-

少し時間をさかのぼります。

 

1年ほど前、ふんわりと自邸の話を大工の主人としていた時のこと。

鹿児島県出身で、カヤ葺き平屋で育った背景からか、

『3階建てではなく、2階建てが良い』と主人は申しました。

私は暮らし易ければ、形状にはこだわらないので、主人の意見を尊重しようと思っていました。

 

ただ、新築を建てるのであれば、どうしても子育ての協力を得たかったので、

私の実家の小学校区が良いという条件はありました。

 

実家の『用途地域』を調べると、広く第一種低層住居専用地域というエリアで、

『これじゃ、敷地も広くないといけないし、土地価格も高くなる…』

 

ローンを返済していける月々の支払額から考えると、実家のほど近くというのは到底ありえず、

3階建てが建てられるコンパクトな敷地を選択するしか方法はありませんでした。

 

お客様ご家族でもそうですが、夫婦で意見が相違することは当たり前です。

1年前に夫婦で意見が相違していることに気づきましたが、

そこから自邸については、あまり話し合いはしませんでした。

 

そんな中、私たちが造ったブランコやうんていがあるお客様のご自宅へ、

家族みんなでお邪魔した時のこと。

娘と息子が綺麗な上に楽しそうな遊具のある邸宅に、目をキラキラさせて、

一生懸命ブランコをしていました。

お客様のお子様たちとも仲良くなり、しばらくは、

「〇〇君の家に行きたい」とよく頼まれました。

 

設備が整った、冬暖かくて夏涼しい明るい愉しい家を作ってやりたいという気持ちがどんどん大きくなり、

おそるおそる主人に、

『資金的に土地が小さくて済む、3階建てしか難しいんだけど、やっぱりイヤ?』

と聞くと、

『いいじゃない。3階建て!』

主人の中でも徐々に家を用意してやりたい気持ちが大きくなったのか、

1年前と意見が変わっていました。

 

3階建てのコンパクトな邸宅は、設計の工夫をすればした分だけ、

居心地の良さとして返ってきてくれるので、設計者として私は楽しくて好きです。

大きな敷地があれば、当然2階建ての方が階段の上り下りが少なくて済みますが、

土地価格が高い京都市内では、どうしてもコンパクトな敷地に3階建てという方が価格的に現実的です。

 

夫婦で、

・エリア:実家と同じ小学校区

・建物形状:3階建て

ということが固まりました。

そして、しっかり総資金額の予算も決めました。

 

子供が成長する中で、夫婦の足並みが揃い、

『やってみるぞ!』と決意をしたわけです。

 

この記事を書いたスタッフ

竹園 節子

竹園節子

専務取締役・設計

「人の役に立つ」ことが、私の喜び。 人の笑顔が好きで、出会えた人すべてが笑顔になってほしいと思っています。 大人も子供もかわいいペットも友達も、優しい優しい気持ちで あったかいあったかい時間を過ごしてほしい。 作る人も使う人も、みんな、みんな、ハッピーに