設計士、自邸を造る⑨-断熱性能を考える-
京都には厳しい暑さの夏と底冷えする冬が共存する地域です。
盆地という特徴から、近畿圏の方でも、京都は特別暑く、寒く感じるとよく聞きます。
以前、北海道の方が京都は北海道よりも寒く感じると衝撃的なことを聞いたこともあります。
京都市内の街中で邸宅を造る場合、ほとんどの地域が、
「準防火地域」に入っており、狭小間口敷地・狭小敷地のため、3階建てでの計画にならざるを得ません。
郊外の2階建てに比べ、街中での3階建ての邸宅は法制限も厳しくなり、
・面積・高さ・道路斜線・施工性(足場が建つか否かなど)・防火関連認定品などで設計の自由度が落ちがちになります。
格好いい外壁材も、法制限から、「準防火地域の3階建て」では使用できない。
付けたい窓も、「準防火地域の3階建て」では使用できない。
屋根断熱を付加断熱にしたいが、「3階建て」では総高さ10mを超えるから難しい。
など、郊外型2階建て住宅では見かける先進的な工法も、
3階建てでは実現不可能ということが往々にあり、
私自身、2階建てでしか実現不可能な工法・商品にいら立ちを感じていました。
※弊社では、「準防火地域」での3階建ては全て「耐火建築物」で建築しております。
自邸にて、弊社では初めて、外壁の「付加断熱」を施工しようと考えております。
都市型3階建て住宅でも郊外型2階建て住宅の先進的な工法を
合法の中、無理なく実現できるラインを自邸で割り出そうと思います。