京都で平屋という選択

ここ数ヶ月、50代・60代のお客様から平屋についてのご相談をいただくことが、目に見えて増えてきました。京都市内で土地を探されている方、他のまちから京都へ移住してこられる方。年齢も背景もさまざまですが、皆さんに共通しているのは「これからの時間を、無理なく心地よく過ごしたい」という静かな願いです。
階段のない暮らしの軽さ
平屋の魅力は、なんといっても「上下移動がない」という1点に尽きます。リビングから寝室、寝室から水回りへ。動線がすべて1フロアでつながっているので、朝起きてから夜眠るまでの所作が驚くほど軽やかになります。
掃除や洗濯のような日常の家事も、階段を上り下りする必要がない分、体への負担が確実に減ります。「歳を重ねるとは、こういうことなのか」と少しずつ実感する50代・60代にとって、これは想像以上に大きな価値だと感じています。
京都で平屋が難しいとき
とはいえ、京都市内では土地の広さに限りがあり、平屋を建てるのが難しい場面も少なくありません。狭小地、高低差のある敷地、景観条例による高さや形の制約。市内ならではの条件はいくつもあります。
そうしたとき、私たちがご提案するのが「ホームエレベーター付きの2階建て」という選択です。
田中からひとこと
ホームエレベーターは贅沢品ではなく、20年・30年先の暮らしを見据えた「装備」だと私は考えています。今は階段で問題なくても、いずれ昇り降りが負担になる日がくる。その時に後付けで設置するのは、構造的にも金銭的にもかなり難しい。建てる段階で計画しておくことで、将来の選択肢を残せます。
1階で暮らしが完結することを基本にしながら、2階を趣味の部屋や来客用に。年齢を重ねたら、ボタンひとつで上下を行き来できる。平屋の良さと2階建ての可能性を、両立させる考え方です。
京都へ移住する、ということ
最近は「定年を機に京都へ」「子育てを終えて京都へ」と、移住を選ばれる方も増えています。四季の景色、文化、暮らしのリズム──京都という土地の魅力は、挙げればきりがありません。
ただ、移住には「土地勘がない」「建築会社をどう選べばいいかわからない」という不安もつきものです。私たちは京都市を拠点に、長く家づくりを続けてきました。土地の探し方、周辺環境の見極め、地元の職人とのつながり。お客様一人ひとりの暮らしに合わせて、最初の一歩から丁寧にお手伝いします。
・平屋は「動線が1フロアで完結する」ことが最大の価値
・市内で平屋が難しい場合は、ホームエレベーター付き2階建ても有力な選択肢
・京都への移住は、土地探しから一緒に進められます
これからの20年・30年のために
家は、人生の道具です。50代・60代でつくる家は、20代・30代の家とはまるで別の意味を持ちます。これからの20年・30年を「どう過ごしたいか」を、私たちと一緒にゆっくり考えていけたらと思います。
「終の住処」という言葉は、少し重たく聞こえるかもしれません。それでも、これからを心地よく暮らすための器を、丁寧に整えていく。それは何歳からでも始められる、豊かな営みだと私は思っています。

田中 健治