EMPLOEE THOUGHTS

社員の思い

地域に根差して、新しい主流をつくる

garDEN代表取締役 田中健治

お客様、職人さん、そしてスタッフの真ん中でドンと構える、garDENの支柱的存在、田中健治。どうして家づくりの仕事に携わり、garDEN起業にいたったのか、そして今後どんな会社でありたいか。じっくり語ってもらいました。

 

 

 

 

 

 

何がいい家か、ほとんどの人が知らないって気づいたんですよ。

 

家づくりの仕事をするようになった経緯を教えてください。

 

この仕事に就く前はいろいろな仕事をしていて、たとえばホームページを作ったりとか、トラックに乗ったりとか、全然違うことをしていました。でも30代のときに、ホームページを作成させてもらっていたある工務店の社長から、「うちの会社の経営を手伝ってくれないか」とお誘いいただいたんです。

 

入社してしばらくはホームページをメインに、見積もりや基幹システムの導入とか、人事的なこととかを手伝ってたんですね。そのうち、お客さんと直接話す営業的な仕事もするようになって、家づくりの勉強を始めました。

 

 

ただ、その当時色々な問題をかかえていました。注文住宅の工務店だったけれど、がんばって図面を描いてお客様に提案しても響かない。しかたなく不動産会社の下請けの工事をやって、利益もあがらなくて職人も苦しい。残業は続くけれど受注につながらないので残業代は出ない、ボーナスもない、みたいなね。

 

それで、「自分たちがいい家だと思うものを、自信を持って提案していけるようにならなくちゃ」という思いがあって。で、ちょうど当時(2009年)は、「長期優良住宅」やら「高気密・高断熱」という言葉が出始めて、住宅科学分野が大きく動いた時期で、その辺を学び始めたら、どんどんハマっていって。

 

どんどんハマっていって。

 

そう。家ってすごく身近な存在なんやけど、実は「どういう家がいい家なのかについては、ほとんどの人が知らない」ということに気づいたんですよ、自分もそうだったんですけど。

 

「格好いい家」とか「いい家」みたいなのは、なんかぼんやりしてるじゃないですか。でも、やっぱり「何がいい家か?」というのは、昼間は電気をつけなくても十分に明かりが入って、冬は暖かくて夏は涼しくて、風も通るというような、自然の力を生かせる家やと思ったんです。でも、周りを見渡しても、そういう家づくりをしているところがほとんどない。要は「売りやすい」家ばかりで、「住みやすい」という軸で作られていないんです。

 

だったら、僕らがそういう本質的にいい家を広めていきたい、と思ったんですね。

 

 

 

 

「みんなが夢を持ち、楽しく働ける会社を」

 

 

 

それが起業のきっかけでもある。

 

そうですね。もうひとつは、この業界で、お客さんも、職人さんたちも、スタッフも、みんなが楽しく仕事をして、その真ん中で自分も楽しく生きられるような会社をつくりたいと思ったんです。

 

建築業界って「クレーム産業」と言われるじゃないですか。休みは少ない、給料は少ない、クレームも多い。実際、先ほど話したみたいに、工務店に勤め始めた頃もそんな問題をいっぱい抱えていたんです。

 

でも、「本当にそうか?」と。家づくりって、結婚に次ぐ家族の幸せをお手伝いできる仕事なんちゃうか?働いている人が「仕事ってこういうもんや」とか、「工務店で働くのはきついもんや」と、最初からあきらめて仕事をしていて、それでいいんか? と。

 

僕の中学の同級生や小学校の野球の先輩に、大工や電気屋とか、職人さんが多くてね。僕はそういう人たちと仲がいいし、お客さんとも仲良くできる。でも、そのみんなが不幸に仕事をしているっておかしい。「難しい業界だからこそ、夢を持ってみんなが楽しく仕事できるようにできるんちゃうか?やってみんとわからへんやんか」と。その理想を追求してみたいというのが、起業の想いですかね。

 

だから(経営理念が)「HAPPYをつくる」

 

そう。ひとりでは幸せになれへんからね、みんながHAPPYじゃないと。どうしたらHAPPYになれるかをみんなで考えて、みんなで取り組む。そうして、世の中の役に立つ仕事をする。仲間と一緒にがんばる。そういう思いを経営理念「HAPPYをつくる」に込めています。

 

田中さんのHAPPYとは?

 

僕はね、会社でやっているバーベキューに、職人さんとその家族、お客さんとその家族、スタッフとその家族が集まって、みんな横並びで楽しくしているというのが、いちばんHAPPYですね。仕事していてよかったな、と。こういう風景を見るために仕事をしているんやと思います。

 

 

 

 

地域に1軒1軒、みんながHAPPYになれる家を。

 

 

 

これからやってみたいこと、事業として取り組みたいことを教えてください。

 

やっぱり地域の工務店ですから、地域に根差して、「この会社がなくなると困る」と思ってもらえるような会社になりたいですね。

 

起業した時の思いとして、「100年続くような会社を目指す」というのがあるんです。家は建ててから40年、50年、それ以上建っているので、家がある限りしっかり家守りをしていきたい。そのためには、新卒の人たちが順番に入ってきて、世代の層を広げて、育てる・育つというサイクルをつくっていけるといいなと思っています。

 

それと、garDENが考える本質的にいい家、みんながHAPPYになれる家を、地域に根差して1つ1つ建てていくことで、住まい手のことを本気で考えた家づくりを、この業界での「普通」にしたい。「売ってなんぼ」ではない、新しい主流をつくっていきたいというのは、今でも一番の想いです。

 

僕らは全国展開するつもりはまったくないんです。地域の人が住みやすい家を、地域に根差して、1軒1軒建てていきたい。この京都に、北区に、「garDENに建ててほしい」「garDENで働きたい」「garDENから買いたい」って思う人が増えていってくれたらいいなと思いますね。

(取材・文:立藤慶子)