鉋刃研ぎ
先日の現場での休憩中、山本棟梁が新入社員の竹内君に鉋刃の研ぎ方を教えていました。
竹内君の鉋は、祖父から譲り受けたものとの事で、長年使っていなかった為に錆びて、切れ味の悪い状態でした。
その鉋を使って、刃の研ぎ方を教えていましたが、私もその様子を近くで見ていました。
竹内君の鉋は『平鉋』と呼ばれる種類で、よく目にする鉋です。
鉋は大きく金属の刃と木製の台からなり、『鉋刃』と、
仕上げ面にできる逆目を防止するための『押さ刃』をつけ二枚刃とした合わせ鉋を用います。
本日は『鉋刃』の研ぎ方を教えていましたが、汗だくの竹内君を見て、こんなに大変な事だと思ってもいませんでした。
刃を研げるようになるのに5年程掛かるとの事で、途中から山本棟梁が鉋刃を研ぎましたが、
研ぎ終え材木を削ると、綺麗に薄く削れてます。
鉋に命が吹き込まれた光景を目の当たりにして、私自身感動!竹内君はさらに感動していました。
この切れ味を覚えた上で、自分で研いだ時の違いを確認してもらいたい。
そう話す山本棟梁。
削った面に水滴を垂らすと、表面張力が働き、水が浸透しないようになっていました。
消費社会、使い捨てが当たり前の時代ですが、物の大切さを改めて考える事ができました。