【よくある質問】断熱材について
家づくりのご相談の中で、お客様からよくいただくご質問のひとつが「断熱材は何がいいですか?」というものです。
素材ごとに特徴があり、雑誌やインターネットを見ると情報があふれていて、かえって迷ってしまうという声もよく耳にします。今回は、私たちgarDENが断熱材についてどう考えているのか、これまでの家づくりの歩みとあわせてお話しします。
2009年から続けてきた、パッシブデザインの家づくり
長期優良住宅の認定制度が始まったのは2009年。それまで以上に、住宅の省エネ性能や長く住み継げる耐久性が問われるようになった年でした。これからの家づくりは確実に変わっていく――そう感じた頃から、私たちは少しずつ舵を切り始めました。
地域の工務店として、省エネで快適な住まいを地元に広めていきたい。その想いから、パッシブデザインに基づいた高気密・高断熱の家づくりに本格的に取り組み、それ以来、地道に経験と技術を積み重ねてきました。
あれから17年が経った今も、私たちの基本的な考え方は変わりません。むしろ、年月を重ねるほどに「派手さよりも、確実な性能と丁寧な施工」の大切さを実感しています。
「どれがいい?」の前に大切なこと
断熱材には、グラスウール、ロックウール、セルロースファイバー、発泡ウレタン、ボード系の断熱材など、さまざまな種類があります。それぞれにメリットがあり、「どれが一番優れているか」という問いに、正直なところ明確な正解はありません。
私たちが大切にしているのは、断熱材の「種類」そのものよりも、次の二つです。
断熱材で本当に大切な二つのこと
一、性能がしっかりと担保されていること
二、自分たちの手で、間違いのない施工ができること
どれだけ高性能な断熱材を選んでも、隙間なく丁寧に施工できなければ本来の性能は発揮されません。逆に、ごく一般的な断熱材であっても、正しい知識と確かな技術で施工すれば、十分に快適な住まいをつくることができます。
言い換えると、断熱材は「種類で選ぶもの」ではなく、「施工とセットで考えるもの」だと私たちは捉えています。
私たちが選んだのは、グラスウール
こうした考えのもと、私たちgarDENが標準仕様としてお勧めしているのは、ガラス繊維からつくられる「グラスウール」です。理由は大きく三つあります。
ひとつめは、コストパフォーマンスに優れていること。余分な費用をかけずに必要な断熱性能を確保できるため、限られた予算の中で間取りや内装、設備など、暮らしに直結する部分にもしっかりと配分ができます。
ふたつめは、私たち自身が責任を持って丁寧に施工できること。長年使い続けてきた素材だからこそ、現場の大工や職人もその扱いに習熟しており、施工品質にバラつきが出にくい。これは家づくりにおいて非常に大きな安心材料です。
みっつめは、燃えないこと。グラスウールはガラス繊維が主原料のため、不燃材料として扱われます。万が一の火災のときに延焼を抑えてくれることは、住まい手の命と暮らしを守るうえで欠かせないポイントです。
こうしてグラスウールをきちんと施工することで、京都の蒸し暑い夏も、底冷えする冬も、心地よく過ごせる家を実現できます。決して華やかな素材ではありませんが、地に足のついた選択だと自負しています。
よくいただくご質問へのお答え
Q. もっと高性能な断熱材を使えば、もっと快適な家になりますか?
性能の数値だけで言えば、たしかに上位の素材は存在します。ただし、コストが大きく上がるわりに、体感としての快適さの差はそれほど大きくならないケースも少なくありません。費用対効果と、施工のしやすさのバランスをみることが大切です。
Q. 自然素材系の断熱材のほうが、健康に良いのでは?
自然素材系の断熱材にも良さはあります。一方で、施工の難しさや価格面で課題があるのも事実です。私たちは、室内の空気環境については換気計画や仕上げ材の選定など、複数の観点からトータルで設計するようにしています。
Q. グラスウールは湿気で性能が落ちると聞いたのですが?
正しく防湿層を設け、丁寧に施工すれば、長期にわたって性能を維持することができます。「施工が大切」というのは、まさにこういった部分に表れます。
田中からひとこと 断熱材は、家が完成すると見えなくなる部分です。だからこそ、何を使うか以上に「誰が、どう施工しているか」を大切にしていただきたいと思っています。
派手な売り文句を並べるよりも、地味でも確実に性能を発揮する家づくりをこれからも続けていきます。断熱材ひとつとってみても、その背景にある考え方を知っていただけたら嬉しいです。

田中 健治