新しい動画を公開しました。スキップフロアの話です。
garDEN on TV で新しい動画を公開しました。今回のテーマは「スキップフロア」。設計士の竹園が、中山さんの質問に答えるかたちで話しています。
おしゃれな写真を見て憧れを持たれる方の多い間取りです。ただ今回の動画は、いいところを並べるのではなく、「知らないまま作ると後悔するところ」を中心に、率直に話しています。
後悔するのは、デメリットを知らないまま作ったとき
竹園がまず挙げたのは、空間が細かく分かれることでした。スキップフロアは立体的で複雑に見えるぶん、パッと見にはこだわった空間に映ります。けれど平面としてはつながらないので、床面積のコンパクトな家でやると、かえって窮屈に感じてしまうことがあります。
もうひとつは掃除です。段差が多いので、ワンフロアのようにはいきません。お掃除ロボットも、一段ごとに持ち上げて運ぶことになります。
費用は、ざっくり200万円ほど
3畳、4畳ほどをスキップフロアにする場合と、上から見て家の半分ほどをスキップフロアにする場合とでは、当然変わってきます。そのうえで竹園は「ざっくり200万円くらいは上がると思っておいてください」と答えていました。
構造が複雑になれば、その分コストは上がります。その金額以上の価値があるかどうか。そこも合わせてご判断いただければと思います。
光熱費は、スキップフロアのせいでは上がらない
よくご質問をいただくところですが、竹園の答えは「あまり関係ありません」でした。
garDENが建てているような高気密高断熱の家であれば、そもそも家中を冷暖房するという発想です。家中に冷暖房が効くよう設計・施工されていれば、ワンフロアでベタっとつながっていようが、段違いになっていようが、大きくは変わりません。スキップフロアが原因で電気代が高くなる、ということは起こりにくいはずです。
京都の狭い土地では、かえって狭く感じることも
京都市内の30坪以下の敷地や、うなぎの寝床と呼ばれる細長い土地。そうした土地でスキップフロアは有効か、という質問に、竹園は慎重でした。
私たちがよくお建てするような住宅面積の小さな家でスキップフロアをすると、余計に狭く感じてしまうのではないか、と。目に映る印象はとても大事で、スキップフロアにすると床の面積が減り、視線の抜ける先も変わります。
やってみたいという方には、コスト以上の価値があるものとしてお勧めできます。ただ、うなぎの寝床を解く方法はスキップフロアだけではない。そのことは踏まえておいていただきたいと思います。
耐震は問題ない。気になるのは、年を重ねてからの段差
構造が複雑になると地震に弱くなるのでは、という質問には「ずばり、関係ありません」。耐震等級3なり2なりで設定して計算してしまえば問題ない、というのが答えでした。
むしろ竹園が気にしていたのは、その先のことです。garDENでも、今はお客様の半数ほどが高齢の方の家づくりです。スキップフロアがあれば、それだけ日常に段差があります。住めなくなるというのは言いすぎだとしても、階段の踏み面の寸法、幅、一段の高さ。そのあたりは見ておいていただくといいと思います。
ちょっとした段差に腰かけて作業される方もいらっしゃって、そういう使い方もあるのだなと思う一方で、年を重ねてからの暮らしやすさは、やはりバランスを見て決めていただきたいところです。
音とにおいには、対策がない
これはスキップフロアも吹き抜けも同じで、竹園ははっきり「対策はないです」と言っていました。音は漏れるし、においも広がる。そういうものです。
つながった空間を遮断する方法は、壁を作るか、扉で閉めるか。けれどそれをすると、スキップフロアや吹き抜けの良さそのものを閉じ込めてしまいます。音やにおいが気になる時点で、あまり向いていないのかもしれません。
向いている家族、向いていない家族
最後の質問は「スキップフロアが大成功する家族と、やめるべき家族の見分け方」でした。
つながっていて、お互いの気配を感じるのが心地よい。そういう方たちで暮らすなら、スキップフロアはとてもいい選択です。逆に、大人同士でそれぞれのプライバシーを大切にしたい、そのほうがお互い居やすい、というご家族であれば、選ばないほうがいいのかもしれません。どうしてもという場合は、個室はしっかり分けられるようにしておく。そういう設計上の手当てが要ります。
おしゃれかどうかではなく、誰とどう暮らすか。スキップフロアは、そこから考える間取りだと思います。
なお動画の途中では、竹園の著書『居心地の良い家のつくり方』の紹介もしています。これから家づくりをお考えの方はもちろん、建築実務者の方にも読んでいただける一冊です。
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田中 健治