見える化の第一歩は、Bルート申請でした
前回、卒FITを迎えたわが家に Nature Remo E2 を入れた話を書きました。その続きです。
結論から言うと、箱から出してコンセントに挿しただけでは、何も見えませんでした。「Bルート申請」というものが要ります。聞き慣れない言葉だと思いますので、今回はそこを書いておきます。
Bルートとは何か
いまお使いの電力メーターは、たいていスマートメーターに替わっているはずです。あれは30分ごとに使用量を計り、電力会社へ無線で送っています。この、電力会社への検針データの通り道が「Aルート」です。
これに対して「Bルート」は、同じスマートメーターが持っているデータを、その家の中の機器へ直接飛ばしてもらうための通り道です。920MHz帯の無線でやり取りします。HEMS機器が家の電気を把握できるのは、この経路があるからです。
そして、この経路は申請しないと開きません。
申し込み先は「電力会社」ではなく「送配電会社」
ここが少しややこしいところで、申込先は電気を買っている小売の電力会社ではなく、地域の一般送配電事業者です。京都であれば関西電力送配電になります。
関西電力送配電の場合(2026年7月時点)
・申込書をダウンロードして記入し、郵送または営業所窓口へ提出
・通信規格の欄は「920MHz帯特定小電力無線方式」を選ぶ
・接続する機器の型式を記入する(Nature Remo E2 なら「Remo-3W2」)
・利用料は無料
・受付からサービス開始まで2〜3週間程度
・認証ID(SSID)とパスワードは郵送で届く
届いたIDとパスワードをアプリに入れて、ようやくスマートメーターとつながります。無料ですし難しくもないのですが、思い立った日に始められるものではない、ということです。これから買われる方は、機器の到着を待つあいだに申請しておくといいと思います。
それで、分かったこと
正直にご報告します。Bルートで分かったのは、買った電気と、売った電気の量でした。
考えてみればあたりまえで、スマートメーターは家と電線のあいだの出入りを計る機械です。ですから、家の外から入ってきた電気と、外へ出ていった電気は分かる。けれど、太陽光がいま何kW発電していて、そのうちどれだけを家のなかで使っているのかまでは、これだけでは分かりません。発電量そのものを見るには、パワーコンディショナ側とつなぐ必要があります。
それでも、まったくの手ぶらではありません。売電が立っている時間帯は、発電が家の消費を上回っている時間ということです。裏を返せば、その時間に使えていない電気がある。エコキュートの沸き上げや洗濯機を昼間に寄せるだけで拾える分が、どれくらいありそうか。買う電気の山がどの時間に立つのか。それだけでも、暮らしの癖は見えてきます。
ECHONET Lite に対応していれば、すぐつながる
ただ、うれしい誤算もありました。わが家のダイキンのエアコンが ECHONET Lite規格 に対応していて、こちらは何の苦労もなく、すぐにアプリへ出てきました。

買電・売電と並んで、エアコン2台の消費電力が出るようになりました
ECHONET Lite は、メーカーの違う機器どうしを同じ言葉でつなぐための共通の通信規格です。エアコン、給湯機、蓄電池、太陽光発電、スマートメーターなど120機種以上の機器が定義されていて、対応してさえいれば、どこの製品でも同じアプリから見たり動かしたりできます。
裏を返せば、対応していない機器はつながりません。調べてみると、わが家で ECHONET Lite に対応していたのは、このエアコン2台だけのようでした。10年前に建てた家ですから、無理もありません。
これから設備を選ばれる方は、カタログの「ECHONET Lite対応」の一行を見ておかれるといいと思います。いま使う予定がなくても、あとから見える化や自動制御をしたくなったときに、そこで決まってしまいます。
次は、何を見える化しようか
当初は「次はパワーコンディショナとつないで、発電量の見える化」と考えていました。ただ、調べてみると、わが家のパワコンは今のままではRemo E2とつなげないことが分かりました。10年前の機器ですから、無理もありません。

アプリの画面。電力会社との電気の出入りは分かりますが、太陽光の発電量はここにはありません
そうなると、いま見える化できているのは、電力会社との電気の出入りと、エアコン2台ぶんまで。さて、次は何を見える化すべきかなあ、と考えているところです。いい手が見つかったら、また書きます。
新しい機械を入れれば全部が分かる、というのはたいてい半分しか本当ではありません。何が分かって何が分からないのかを先に確かめる。遠回りに見えて、これがいちばん早いのだろうと思っています。家づくりも、たぶん同じです。

田中 健治