新しい動画を公開しました。間取り変更リフォームの話です。
新しい動画を公開しました。今回のテーマは「間取り変更リフォーム」です。築年数が経って、細切れになった部屋をひとつの大きなLDKにまとめたい。そうお考えの方は多いと思います。設計士の竹園が、皆様からいただいたご質問にお答えする形で、費用の目安から耐震、明るさの取り方までお話ししています。
今の間取りに引っ張られないこと。ただし階段は動かせません
「間取り変更リフォームで絶対にやってはいけない失敗例は」というご質問から始まります。竹園がいつも心がけているのは、今の間取りに引っ張られすぎないことだそうです。守らないといけないことはたくさんありますが、いったん全部を取り払って、真っ白なキャンバスだと思って立体的に空間を捉え直す。そこが大事だと言います。
ただし、法改正以降、間取り変更リフォームでも基本的に動かせないものがあります。階段です。ですからこれからの間取り変更は、階段の位置をベースに考えていくことになります。たとえば以前の間取りで玄関から階段までの動線がとても遠かったり、複雑だったりしたなら、階段は動かせないという前提で「玄関はこちらにあったほうが動線が短いのではないか」と組み立て直していく。とにかく既存の間取りに引っ張られないことが、いちばん大事だとのことでした。
抜ける壁と抜けない壁を、素人が見分けるのは難しい
「抜ける壁と、絶対に抜いてはいけない耐力壁を素人が見分ける方法はありますか」というご質問。これはもう非常に難しい、というのが正直な答えです。
ただコツとして、京都のお家はうなぎの寝床が多いので、長手方向に流れている壁は、取ろうと思えばどこでも耐力壁が取れると踏まえておく。逆に短手方向にある壁や柱は基本的に残るのかもしれないな、と思いながら間取り変更をイメージしていく。長手方向はあまり重要視せず、短手方向の壁はあまり抜いてはいけないのかな、と考えておくといいそうです。
大空間と耐震を両立させるなら、上の階にLDKを
「壁をたくさん取り払っても地震に強い家をキープする設計手法は」というご質問には、賛否両論あるかもしれませんが、と前置きしたうえで、上の階に大きなLDKを持っていくという手法を挙げていました。
そうすると1階には細切れの個室や、トイレなどの水回りが集まります。すると耐力壁として有効に使える壁が、間取り的にも必然的にできてくるのです。広いLDKの中に壁がぼんぼんと立っていると邪魔に感じますが、個室の壁のところに耐力壁があっても、住んでいて「この壁が邪魔だな」という状態にはなりにくい。2階にLDKを持っていくのは、耐震性をキープしながら壁を取り払うための、ひとつの設計手法だということです。
20畳のLDKをつくるなら、500万円ほど(税抜)
「壁を壊して広いLDKにする場合の工事費用はいくらかかりますか」。広さが分からない中では難しい質問ですが、壁を壊して広いLDKにするというのは構造の骨組みに触れる範囲が増えるので、リフォーム工事としてもかなり大掛かりな工事になります。
たとえば20畳ほどのLDKをつくるとしましょう。20畳はおよそ10坪ですので、坪50万円ほどとして、税抜きで500万円くらいはかかるのではないか。その空間をつくるのに、それくらいの費用感だとお考えください、というお話でした。
うなぎの寝床を明るくするのは、中庭か、吹き抜け
「間口が狭く奥行きが長い京都のうなぎの寝床で、暗い1階を明るく開放的なLDKに変えるコツは」というご質問。やり方はいくつかあります。
そもそも町家には坪庭がありました。風を抜くためでもありますが、真ん中の空間に明るさをもたらすための手法でもあります。ですから中庭のような外部空間を設けるのがひとつ。もうひとつ、garDENがよくやるのは、下の階の構造の骨組みには手を入れないという大前提のもとで、上を吹き抜けて2階の明るさを下に落としてあげるやり方です。中庭も吹き抜けも、リフォーム工事できちんと実現できます。
大空間にするなら、断熱リフォームは必ずセットで
「間取りを変えて大空間にしたら、冬の寒さ対策や電気代の高騰を防ぐ方法はありますか」。間取りを変更するリフォームは、そもそも大掛かりな工事になります。ですから、絶対に断熱リフォームをしてください、というのが竹園の答えでした。
新築工事並みに断熱を施すノウハウは、技術としてちゃんとあります。そういうことをしてくださる工務店に依頼されるといいと思います。リフォーム会社にはそれぞれ特徴があります。キッチンの入れ替えが得意な会社、ユニットバスが得意な会社、外壁の塗り直しが得意な会社。大規模なリフォームをお考えなら、きちんと建築をされているリフォーム会社かどうかを見ていただきたい。断熱をしっかり施工できれば、間取りを変更して大空間をつくっても、吹き抜けをつくっても、寒さ対策も電気代の高騰も防げます。ご依頼先を間違えないようにしていただければ、と思います。
相見積もりで提案がバラバラになるのは、得意分野が違うから
「相見積もりを取ると、なぜ会社ごとに提案内容が違うのでしょうか」。ずばり本音で言えば、会社ごとに得意分野が違うからです。
「使い勝手のいい家にしたい」「設備が古くなったので新しくしたい」という漠然とした思いでいろいろな会社を回られると、それぞれの得意分野に沿った提案が返ってきます。お客様のお悩みを真摯に聞き分けて、そのお客様が何に困っていらっしゃるのかを見てくれるかどうか。実際、マンションにお住まいで断熱に困っておられない方もいらっしゃいます。冬の寒さにも夏の暑さにも困っていない方に断熱を提案するのはお門違いです。困りごとにきちんと耳を貸してくれる会社さんかどうかを、見極めていただければと思います。
「この壁は壊せません」と言われたときは
最後は「リフォーム会社からこの壁は壊せませんと言われた時に、次に取るべき代案は」というご質問。専門的な会社から「この壁は壊せない、この柱は抜けない」と言われた場合は、やはり取らないというのが第一です。
致し方ないことは致し方ないとして受け止めて、そのうえで建設的に次の発想を考える。壁があっても困らないように、変じゃないように考えるということです。たとえば収納の壁にしてしまう。あるいはライトを当てて、雰囲気のいい壁にしてしまう。考えを切り替えることが大事です。いつまでもこの壁が取れなかった、と引きずらないこと。そこが大事になってくると思います。
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田中 健治