居心地のデザイン⑥-窓にこだわる-
前回の続きです。
日射熱をコントロールする手法をご紹介します。
② 方位によって窓ガラスを使い分ける
一般的によく聞くようになった「Low-E複層ガラス」。
2枚のガラスと中空層、ガラス内側の金属コーティングにより熱の伝わりを軽減した商品ですが、
金属コーティングの位置によって2種類あることはご存じでしょうか?
室内側のガラスに金属コーティングをした「日射取得型」は、熱を通しやすいガラスです。
冬場、南からの日射熱を最大限取り込むために、お家の南面の窓にはこの「日射取得型」を選択します。
一方、室外側のガラスに金属コーティングをした「日射遮蔽型」は、熱を通しにくいガラスです。
南以外の東・西・北面は、夏場の日射熱をシャットアウトするために「日射遮蔽型」を選びます。
方位によって窓ガラスを使い分ける、これだけでηAC値・ηAH値が変わり、室温にも変化が表れます。
高性能な窓は、価格も決して安いものではありません。
しっかりと直射日光を取り込める位置に最適な窓を設計して、それ以外は必要最小限にすること。
眺望優先で西面に大きな窓を設計することもありますが、セオリーを踏まえた上でバランスを考えてご提案すること。
メリハリのある窓設計が重要だと思います。