左官と右官
左官は一度は耳にしたことがあるかと思います。
塗り壁、レンガ・ブロック積み、タイル貼り、コンクリートの床仕上げを行う職人さんです。
では右官はどのような職人さんでしょうか?
諸説ありますが、本日は左官と右官の話になります。
左官は飛鳥時代からの称号で、以前は宮殿の建築や修理をする職人を
木工寮の属(さかん)と呼称しています。
木工寮って?主に造営、および材木採集を掌り各職工を支配する役所。
属(さかん)とは律令制における階級のひとつで
「かみ」「すけ」「じょう」「さかん」の四等官のひとつです。
主に造営、および材木採集を掌り各職工を支配する役所なので、
同じ「さかん」でも役割が異なります。
時代と共に称号も変わり、塗り壁を行う職人を左官、
木工事を行う職人を右官、それを統括する棟梁と呼称するようになりました。
左官が何故、属(さかん)と同じ呼び名なのかは、
645年、許勢眞壁連(こぜまかべむらじ)の孫・許勢波多哀(こぜはたお)が、
天皇の住まいの外郭(がいかく)に美しくて丈夫な土壁を作ったことで、
天皇から左官の称号を賜ったと言われています。
江戸時代、右官は大工と名が変わり右官という言葉を聞かなくなりました。
その統率者が棟梁となります。
大工の語源は大匠(おおきたくみ)と言われております。
大匠は木工寮の技術職という立場になります。
時代と共に呼び名も変わり、役割も分担され、
今では、木造住宅でも20種の業種が一つの建物を造ります。
電気、ガス、給排水、外部の建具も木製だったものが、アルミや樹脂になり、
内装もクロス張りと、ひと昔前にはない業種です。
これからも業種は増えるのか?建物がシンプルになり、
業種は減るのか?気になるところです。