設計士、自邸を造る⑭-子供空間を考える-
私が使用していた実家の部屋は、現在、
仏間の続き間として法事や親族の集まりなどで使われています。
もともと、和室の続き間で繋がれているような住宅のため、
使っていたころは不満が多かったのですが、可変性があるのが良いところです。
この仕事をしだして、いわゆる●LDKと部屋が壁でしっかり分けられている邸宅のリフォーム調査へ行くと、
「子供が巣立ってからは納戸なんです」
とおっしゃられる方が、本当たくさんいらっしゃいました。
皆様、「もったいない空間」とおっしゃっていました。
繋がりすぎているとプライバシーに欠けるが、可変性がある。
分けられすぎているとプライバシーは守られるが、様子が伺いにくく、可変性に欠ける。
どちらも一長一短。
私の子供は、異性の兄弟なので、年頃のことも考えて分けたいときに分けられる配慮も必要。
自邸の子供空間は、
・部屋に引き戸やドアを設けず、
・居心地が良すぎないように、ほどよく狭くして、
・ロフトベッドをつくり、ベッドで部屋が狭くならないようにして、
・親の空間と子供の空間は階で分けてプライバシーを守り、
・異性なので年頃で分けられるように梁と柱を設けました。
昔から私が設計した邸宅で、子供が引き籠ったというエピソードだけは聞きたくなく、
子供室の居心地はほどほどに、LDKの居心地をスペシャルにするという発想で向き合ってきました。
さて、ちゃんと子供と共に、家族が成長できるのか楽しみです。
※写真の奥の空間が子供空間になります。