猛暑日は、40年で3倍になりました
毎年「今年は暑い」と言っている気がして、いちど数字で確かめてみたくなりました。京都地方気象台に残っている猛暑日──最高気温が35℃以上になった日──の記録を、40年分並べてみます。
京都の猛暑日、40年分
| その年の猛暑日 | 前後10年の平均 | |
|---|---|---|
| 40年前・1986年 | 11日 | 10.9日 |
| 30年前・1996年 | 23日 | 15.9日 |
| 20年前・2006年 | 18日 | 19.4日 |
| 10年前・2016年 | 27日 | 22.9日 |
| 今・2025年 | 61日 | 32.8日 |
| 10年後・2036年 | 70日前後? | 45日前後? |
猛暑日=日最高気温35℃以上の日。京都地方気象台の観測値(気象庁「過去の気象データ検索」)より作成。「前後10年の平均」は1981-1990/1991-2000/2001-2010/2011-2020/2016-2025の各10年平均。2036年は予測ではなく、これまでの伸びをそのまま延ばした場合の目安です。
単年ではなく、10年平均で見る
猛暑日の日数は、年によって大きくぶれます。1993年はたった1日、翌1994年は33日。だから「去年より暑い」「今年は涼しい」だけでは、傾向は見えてきません。
10年平均で見ると、はっきりします。1980年代は11日ほどだったものが、直近10年では33日。40年で3倍です。しかも、この10年平均は40年間、一度も下がったことがありません。
そして、ここ数年が飛び抜けています。2023年が43日、2024年が54日、2025年が61日。2025年、京都市は猛暑日と熱帯夜がともに60日に達し、全国約910か所ある観測地点で史上初の「60-60」を記録しました。
10年後は、どうなるか
将来のことを断言できる人はいません。ただ、10年平均は10年ごとにおよそ5日ずつ、直近の10年は10日近いペースで増えています。この傾斜がそのまま続けば、2030年代半ばには「10年平均で45日前後、暑い年は70日を超える」。そのくらいの夏を見込んでおくのが現実的だと私は思っています。
気象庁の予測でも、近畿地方の猛暑日の年間日数は、20世紀末に比べて21世紀末には、パリ協定の2℃目標が達成された世界でも約6日、追加的な対策を取らなかった世界では約29日増えるとされています(文部科学省・気象庁「日本の気候変動2025」)。京都市は盆地で、もともと全国有数の暑い地点です。そこに都市化の影響も重なります。
家は、40年後の夏に建てる
この表をつくったのは、不安をあおるためではありません。家づくりの前提が、静かに、しかし確実に変わったことをお伝えしたかったからです。
いま建てる家は、30年、40年と使われます。つまり今日設計する家は、この表のいちばん右下の気候の中で暮らす家です。猛暑日が年に11日だった1986年を基準につくられた家と、これから建てる家とでは、求められる性能そのものが違います。
やるべきことは、実はそれほど複雑ではありません。
- 夏の日射は、窓の外で遮る
- 断熱と気密を、施工まで含めてきちんと確保する
- 小さなエネルギーで、家全体を冷やせるようにする
2025年4月から、すべての新築住宅で省エネ基準への適合が義務になりました。ただ、義務はあくまで最低ラインです。garDENでは、その一段上を標準にしています。
暑さは、我慢するものではなく、設計で減らせるものです。40年分の数字は、そのことを静かに教えてくれているように思います。

田中 健治