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昭和の時代でしたら和室があるのが当たり前でした。

平成になっても和室は残っていましたが、最近のマンション、住宅は和室がありません。

本日のブログは、そんな和室に欠かす事のできない畳の話しとなります。

 

畳の語源が「たたむ」からきているのはご存知でしょうか?

畳は古代から存在し、世界に類のない、日本国有の文化です。

古代の畳は薄いゴザの様な敷物で、使用しないときに畳んで部屋の隅に置いていたことから

「たたむ」の動詞が名詞の「畳」となったと言われます。

 

今の畳に近いものは平安時代に入ってからで、床に敷くクッションの様なものでした。

室町時代の書院造の登場から床一面に敷き詰める様式になり、

移動しなくなった畳は分厚くなりました。

茶道の拡大に伴い、正座と共に普及し、現在の畳に至ってます。

 

【サイズ】

畳のサイズには2種類あり、2:1の長方形、その半分の正方形、

部屋のサイズにより注文されるので大きさは一定ではありません。

一般的な規格として、京間、中京間、江戸間、団地間の4種類が有名です。

 

【畳床】

畳といえば5cm程度の厚みが標準とされますが、

今の畳は1.5cmほどの厚みのものが多く普及されています。

本来の畳は稲藁を畳床としていました。

稲作の副産物である稲藁、その性能は、

調湿性、保温性、弾力性、空気浄化作用とメリットばかりです。

ですが、材料の入手が困難、製造が難しい、重くて取扱いが面倒、

ダニなどの害虫が繁殖しやすいなどあり、現在は新素材が利用されています。

木のチップを圧縮したもの、発砲スチロールを単板、積層させたものがあります。

藁床のように踏み心地、通気性は良くありませんが、

安く、階下への防音性に優れています。

 

【畳表】

畳表は藺草(いぐさ)、七島藺(しちとうい)の茎を乾燥して織ったゴザで、

様々な織り方があります。

年月と共に擦り切れる為、3年から5年に一度、畳の表替えをお勧めします。

ちなみに藺草シェア率

中国産69%、国産19%、人工畳表11%

国産畳表生産1位…熊本90%

 

【畳縁】

畳床を畳表で包むときに長手方向に巻き付け、畳床の裏側で縫い付けます。

短い方向は畳床に合わせ、畳表を切り揃えていくため、

切り放しのままでは畳表が固定されないので、切り口を隠すと同時に畳床に縫い付けて止めます。

短い方向も巻き付け、畳裏側で縫い付ければ、縁無し畳となります。

 

畳を製作するにあたり、新築であっても必ず採寸します。

それは、どんなに腕の良い大工さんであっても寸分の狂いもなく、

図面通りの寸法につくることができないからです。

部屋のコーナーの角度が直角ではない、対角線同士の長さが等しくない、

壁面や敷居に反りがある、柱の出っ張りや段差がある。

見た目にはわからないレベルです。それは数mmの世界です。

図面通りに製作すれば、畳が納まらない、隙間が多いなど、不具合が起きますが、

採寸する事で、それが解消されます。

ですが、いくら隙間なく製作したとしても、経年と共に隙間は生じます。

それは部屋の湿度により、木や畳が収縮するからです。

畳床も木のチップを固めたものを使用したりしますので、木と同じです。

隙間ができたから欠陥ではなく、木造ならではの在り方だと思います。

 

近年、減りつつある和室。それに伴う畳。

1300年の歴史のある日本の文化をどのように継承していくか。

世界に発信するのも有りだと私は思います。

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